畳(イグサ)の効能

1.機能性

科学的に実証される畳の機能性。機能性の秘密は維管束にある。

イグサとは

イグサは細長い円柱形をしており、高さは70~160cmくらいまで成長します。イグサの断面を電子顕微鏡により観察した結果が右図に示しています。

イグサの他植物との比較

イグサはスポンジと良く似た構造をしています。このような構造がたたみの弾力性、吸放出性、吸音性、有毒ガス・有害物質の吸着性、湿度の調節など、多くの機能性を生み出しています。
ワラも弾力性のある作物として草履や帽子などに広く利用されていますが、構造の違いにより機能性の違いを感じさせます。

イグサの断面図

表皮のすぐ内側が厚膜組織で、スポンジ状の者が維管束。
六角形の組織「ハニカム構造」によりイグサの耐久性が高い。

ワラの断面図

イグサと比べ空気穴が明らかに大きいことがわかります。
イグサと違い、ハニカム構造を見ることはできません。

イグサの研究データ

イグサの吸湿率比較

ホルムアルデヒドの吸着

二酸化炭素の吸着

2.リラックス効果

森林に入ると爽やかな気分になるのは、樹木がかもし出す芳香成分や、鮮やかな色素成分などによる作用。同じ成分を含むイグサのリラックス効果は大きい!

学習能力向上

小中学生を対象にしてフローリングの部屋と畳の部屋で学習効果に違いがあるかを実験。結果、畳の部屋ではなんと回答率が14.4%UP!いかに集中力がアップしたかが分かります。

日本家政学会誌60巻4号(2009)に掲載

イグサの芳香成分

イグサの香りの主成分はフィントチッド「森林の香り」と呼ばれる物質で、イグサの芳香成分の約20%を占めています。この成分は天然成分として消臭スプレーや空気清浄機にも使われています。

イグサは紅茶とバニラの香り

芳香成分の約10%を占めているのが紅茶にも含まれているジヒドロアクチニジオリドです。さらにリラックス効果の高いαシペロン、バニリンがそれぞれ約6%含まれています。

生イグサと泥染めイグサ

泥染めイグサとは、刈り取った生イグサを泥(塗土) に浸け、変色を防ぐ加工を施したものです。しかし機能性芳香成分は全体の約半分も満たしているので、リラクゼーション効果は多いに期待できます。

3.健康・美容食材

イグサはヘルシーな野菜。様々な栄養素が豊富に含まれています。

便通改善&ウエスト引き締め

女子高生を対象に、イグサ摂取することで排便回数と排便量に変化があるかを実験。結果、排便回数、排便量ともに増え、排便回数は平均1.5倍増加!また、実施前後で被験者のウエストを測定した結果、ほぼ全員のウエストが細くなり、なんど平均で4.6cmもサイズダウン!

健康・栄養食品研究8巻(2006)に掲載

活性酸素除去成分

植物には活性酸素の害から身を守るフィトケミカルという物資が多く含まれています。イグサにはその一種のクロロフィルという緑色の色素成分を多く含み、さらにポリフェノール、ビタミン、ミネラルを多く含んでおり、これらの成分の作用で活性酸素を除去する効果があります。

美肌づくりにも効果がある。

イグサには肌に重要な働きをするビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、などの栄養を含んでいます。

4.抗菌作用

抗菌素材でもあり、防腐剤にもなる新しい消臭素材としての可能性も

薬湯への利用

イグサは循環式浴槽でしばしば問題となるレジオネラ菌や大腸菌の増殖を押させる効果があります。また、イグサは古来より薬草としても使われていたことから、薬湯としての可能性があります。

日本防菌防黴学会誌34巻6号(2006)に掲載

足臭・水虫予防

足の臭いの原因となる微生物と、水虫の原因となる白癬菌に対して、イグサの抗菌効果を実験。結果、足臭微生物、白癬菌ともに抗菌効果を発揮。

天然で安全性の高い保存料

香辛料、ワサビ、樹皮、クマザサ、ハーブなどと同じ、腐敗防止の食材として利用できます。また、細菌類増殖抑制を目的とした日持ち向上剤としても多いに期待できます。

水虫菌に対する抗菌作用実験

イグサを加えていないものは白い水虫菌がびっしりと生えているが、イグサを加えたものには全く水虫菌が生えない。イグサには水虫菌に対して抗菌作用が認められた。